地域でオトナ男子が幸せに暮らす方法

10月の日曜日に4回にわたって開催した「地域でオトナ男子が幸せに暮らす方法」(「さいたま市」と「あれあれあ」の共催)が終了しました。最終回は大家から話題提供させてもらったので、レジメを掲載します。

 この写真の左側が「ヘルシーカフェのら」、右側が「BABAラボ」です。
ここは私の「実家」なので、「大家」ということになります。

 活動を始めたきっかけは、「のら」の店主新井さんと「BABAラボ」代表の桑原さんとの出会いにあります。 

新井さんは「保育園や子育てサロンを増やすことだけが子育て支援ではなく、誰もが立ち寄れる「レストラン」の場で、子育て中のパパ・ママ、高齢者、若者などのすべての人たちを支える仕組みづくりをしたい。」という構想を持っていました。
桑原さんは、高齢者が100歳まで働ける「ものづくりの職場」を「まちなか」につくり、高齢者のアイデアによる「孫育てグッズ」という新たな市場をつくりたいという思いを持っていました。
そんな中、私の実家は、母が一人暮らしとなり、部屋は荷物置き場、庭の手入れも困難になっていました。その後、母も一人暮らしができなくなり、実家が空家になりました。  

そこで、この実家を活用して、自分がとても共感した二人の想いを実現する「場」をつくりたいと考えました。
コミュニティレストランを開いて、家賃や人件費を捻出していくのは難しいだろうと思い、庭に店舗付きアパートを建てて家賃収入を確保し、1Fに「のら」、実家を「BABAラボ」に賃貸することにしました。

 「のら」は地産地消の手づくり料理やスイーツを提供するほか、野菜などのカラダにやさしい食材も販売しています。 

エビス生のビアサーバーがあって、営業時間内いつでもビールやワインなどを提供しています。 

テーブル席の奥には16畳の多目的スペースがあり、週2~3日、講座やワークショップなどを開催されています。また、手作り品を展示・販売できるスペースも提供しています。

 「BABAラボ」の方は、1Fは工房兼ショップやキッズルームなどがあり、2FはBABAラボの事務所とシェアオフィスがあります。
子どもが迷子にならない「シッポ付きトートバッグ」、おばあちゃんが長時間抱っこしても疲れにくくて授乳にも便利な「抱っこ布団」、メモリが見やすく、花びら型で持ちやすい哺乳瓶など、高齢者のアイデアを製品化して販売しています。

2009年6月以降の実家の変遷です。
父がゴルフのアプローチショットの練習をしていた「芝生の庭」は店舗付き住宅が建てられて、のらがオープン。日々、様々な人がやってきて、交流の場となっています。

1Fの「リビング」はBABAラボの工房兼ショップに、「和室」は会議やまかないの場所に、「ダイニング」はキッズスペースになりました。

2Fの「姉の部屋」は一時期、「美BABAサロン」に、その後、手狭になってきたBABAラボの第二工房になっています。

「私の部屋」は机が3つ置かれて、シェアオフィスとして使われ、行政書士とフリーのデザイナーが入っています。

 「父の和室」はBABAラボの事務スペースになっています。

ここで「大家の収支」を紹介します。
「収入」としては、のら2Fのアパート「ガーデンハイムK」の家賃が共益費込みで78,000円×2軒分、BABAラボからは固定資産税相当の20,000円、計17万6千円になります。

「支出」としては、土地は母、姉、私の共有になっていることから、母に対する家賃として70,000円、アパートの管理料、固定資産税を入れると約10万5千円となります。
単純にいえば、月額7万円の黒字となりますが、不衛生だということで、古い物置を撤去したり、温水器が壊れたりと、築32年ということでメンテナンス費用がかかります。

なので、赤字のために生活費を補てんしなければならない状況ではないとう感じです。

 のらには様々な背景とチカラを持った様々な人がやってきます。
森實さんは、週1回、のらで厨房スタッフのボランティアをする傍ら、毎月、大人を対象とした絵本セラピーのワークショップを主宰。友達と一緒にのらの箱を開設し、ハンドメイドの雑貨なども販売中です。
森本さんは保育所の保育士、鈴木さんは会社員。育児休業中にmmカフェの企画運営に参加。その後、のらのベビーカフェの運営に携わる。職場復帰後は、ワーキングマザーの立場で家族カフェを開催中です。
蛭田さんは、店主新井さんが長年の主婦としての料理の経験を見込んで急遽のらに招集。のらの料理人として生涯初めての就職を果たす。その後、のらの調理長として厨房を仕切っています。
難波さんは、元学習塾&幼児教室講師。在職中に考案した知育パズルをもとに、のらでパズル教室や積み木パズルづくり講座を主宰。のらの箱でも積み木パズルを販売中です。
  

重川さんは、記者生活35年、大学非常勤講師10年を経て、池之端から鹿手袋に移住。のらの2Fで一人暮らしをしながら、週2回のらの厨房で皿洗い等のボランティア中です。 

古橋さんは、都内在住で活動の中心も都内ではありますが、のらでも味噌づくりや保存食づくりのワークショップを行っています。豊富な読書量をもとに「ブッククラブ」(読書会)も主宰。「のらの箱」では薬膳茶も販売中です。  

新井幸一さんは、会社を早期退職して専業主夫になる。図書館でしかてぶくろ新聞をみてのらに来店。縁づくり市の唐揚げ販売を契機にのらの厨房に入り、週4日、のらの厨房で腕を振っています。 

関谷さんは、プレオープンのおしゃべりカフェに赤ちゃん連れで参加。のらでスクラップブッキング講座を主宰。mmカフェの企画運営を経て、BABAラボのスタッフに。通販サイトの管理などを担当しています。

のらがオープンして11月で丸7年が経ちます。  

様々な人がのらで活動することで、それぞれが持つチカラを発揮して、繋がっていく。それは、パッチワークの布を地域に広げていくように美しいと感じています。

これまでの活動を通じて、コミュニティビジネス大家の4か条をつくりましたので紹介します。  

のらもBABAラボも、地域の課題を地域に住む人が主体となって解決していく事業を行っており、合同会社という形態をとっています。「コミュニティビジネス」に実家を貸しているということで「コミュニティビジネス大家」と名乗っています。
第一に、「住まい方は店子のスタイルに合わせるということ」。創意工夫して使ってもらうことで物件の付加価値が高まると思っています。様々な人がこの「場所」にやってきて、出会いや交流を通じてステップアップしていく。そうした「賑わいの場所」をつくることが、敷地全体の価値を高め、家賃収入が持続されて、「場所自体」が存続していく。そういう地域の中の「好循環」をつくりたいと考えています。
第二に、「店子の夢の実現に向けて、常に応援者となること」。のらに関しては、人手不足の土曜日のボランティア、HPやFBの更新、助成金の申請書づくりなど日々応援することが大家の繁栄につながると考えています。 
第三に、「思い立った時が適齢期ということ」。地域とつながりを持たずにいて、定年後にいきなり「地域デビュー!」というのは、なかなか難しいのではないかと思います。

第四に、「プライベートの充実なくして大家の幸せはないということ」。地域活動には家族の理解も不可欠であり、プライベートの時間も大事だと考えています。